第10話:アムウェイビジネスより人間理解に興味があった

三流営業マンの主人公タダシ(モデルは著者)が、Amwayのミーティングで、ダイレクトディストリビュータ(DD)から授かった知識「安心感と信頼」を武器に、道を切り開き、医療現場から頼られる営業マンに成長していく物語。37回シリーズ。

ミーティングから数日が経っても、
タダシ(主人公)の胸の奥には、
あの日の言葉がずっと残っていた。

「人は心で動く」
「安心できる人に人はついていく」
「信頼は小さな約束から始まる」

どれも、営業の現場でタダシが
悩んでいたことに直結していた。

(俺が医局で誰にも
 話してもらえんのは
 心を開いてもらえてないから
 なんじゃ)

その気づきは、
タダシの胸に深く刺さっていた。

病院では成果ゼロ、でも心は少しずつ変わっていた

大学病院の循環器内科。
医局の前で深呼吸をして、
ノックをする。

「失礼します。タダシです」

医師たちはちらっと見るだけで、
すぐにカルテに戻る。
その反応はいつも通りだった。

でも、タダシの心は
いつも通りではなかった。

(この人たちの心を理解できたら
俺、変われるんじゃろうか)

医局を出て廊下を歩きながら、
タダシは自分に問いかけた。

(俺は、医師の立場に立ったことが
 あったじゃろうか?
 忙しい先生の気持ちを
 想像したことがあったじゃろうか?
 聞く姿勢、ちゃんと
 できとったじゃろうか?)

答えは、全部「いいえ」だった。

人間関係の仕組みに惹かれていく

その日の夜、タダシは
自宅でノートを開いた。
学会レポートを書くときに使っている
ノートだ。

そこに、ミーティングで聞いた
言葉を書き写した。

  • 「人は心で動く」
  • 「人間関係は技術ではなく、心の扱い方」
  • 「聞く力が信頼をつくる」

書いているうちに、
タダシは気づいた。

(俺、ビジネスの話より、
 人間の心の話のほうが好きなんじゃ)

医療機器の構造や
治療の流れを学ぶのも嫌いではない。
学会レポートを書くのも好きだ。

でも。人間の心の仕組みを知ることは、
もっと好きだった。

(人がどうやって安心するんか?
 どうやって心を開くんか?
 どうやって信頼が生まれるんか?
 それを知りたい)

胸の奥がじんわりと熱くなった。

ユウスケの言葉が背中を押した

そのとき、スマホが震えた。
ユウスケ(友人)からだった。

「タダシ、また今度
 ミーティングあるけぇ、来ん?」

タダシは迷わなかった。

「行く。
 もっと知りたいんじゃ」

ユウスケはすぐに返事をくれた。

「ええのう、その気持ち。
 タダシは絶対変われるよ」

その言葉に、タダシは胸が熱くなった。

(俺、変われるんじゃろうか
 ほんまに?)

でも、心の奥では確かに
何かが動いていた。

人間理解がタダシの心を強く引き寄せた

その夜、タダシは
ノートを閉じながら思った。

(俺は、営業の技術を
 学びたいんじゃない。
 人間の心を理解したいんじゃ)

それは、タダシにとって初めての
明確な学びの方向性だった。

  • 営業が苦手でも、
  • 人間関係がうまくいかなくても、
  • 方言で失敗しても、

それでも。

人間の心を理解したいという気持ちは、
タダシの胸の奥で確かに燃えていた。

この日、タダシはまだ知らない。

この人間理解への強い惹かれが、
後に

  • 医師との関係を劇的に変え、
  • 営業の成果を自然に伸ばし、
  • 人生そのものを変えていく

大きな軸になることを。

物語は、静かに、しかし確実に
前へ進んでいた。

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