性格・自己肯定感

キャリア・将来の進路

トテチテタ、トテチテタ①

福山市の外れにある就労継続支援B型事業所「トテチテタ」は、朝になるといつも少しだけ騒がしい。玄関の引き戸がガラガラと開くたび、利用者さんたちの声が重なり、コーヒーの香りと混ざって、なんとも言えない温かい空気が流れ込んでくる。第6話までありま...
健康・体調

砂糖断ちダイエット

夏休みまで、まだ3か月もある5月の連休明け。27歳のエミコは、ふと鏡の前で立ち止まった。(あれ?なんか、冬より丸くなってない?)気づかないふりをしていたけれど現実は正直だ。そこでエミコは決意した。砂糖断ちダイエットはまさかのウルル旅行と焼き...
健康・体調

味覚ゼロ

マコは38歳、独身時代の自由さを懐かしみつつも、今は8歳のおかっぱ娘ミコと、ちょっと頼りない夫ユウスケに囲まれた三人暮らし、のはずなのだが、最近どうもおかしい。
キャリア・将来の進路

遠距離の結末

西武新宿線沿線、航空公園駅から自転車で12分。ミツコの住むワンルームマンションは、防衛医科大学校の巨大な建物を仰ぎ見るような場所にありました。
性格・自己肯定感

不器用な親子

長崎の坂の上で育った信夫は、幼い頃から母・信江のことを料理が下手で、叱ってばかりで、ちょっと自慢が多い人だと思っていた。兄弟に囲まれたにぎやかな幼少期、中学受験で家族の形が変わっていく思春期、東京へ逃げるように進学した青年期、そして親の老い...
性格・自己肯定感

ETCの記録

見えても良さそうなのに、本人が絶対に気づかないこと。家庭内での夫婦喧嘩の原因となる夫の問題行動というものは確かに存在します。本人には見えなくても、妻にはするどい痛みをともなう行動です。そんな不満をどうにかして見つけだそうとするある夫の物語で...
性格・自己肯定感

ネコタワー

高円寺から中央線で二駅、中野の築40年アパート。フローリングの上に広げられた婚姻届を前に、マサオ(31歳)は、いつになく真剣な顔でメガネをクイッと上げた。「ナミ、いいか。俺たちは結婚する。これはゴールじゃない、スタートだ。そして、スタートラ...
キャリア・将来の進路

富山の薬売り

現在37歳のケンが、古びた置き薬の箱一つを持って顧客宅の玄関先に立つとき、彼がかつて都会の喧騒を離れた郊外の大学でウェブマスターの肩書きを(自称で)手に入れていたことを知る者はいない。
性格・自己肯定感

なぐさめる

コウイチ、45歳。彼が所属する大企業の人事部。そこは、人の能力を数値化し、キャリアを体系的に管理する、極めてロジカルな部署だった。長年の経験で、彼はどんなトラブルも適切なマニュアルと合理的な手順で解決してきた。
性格・自己肯定感

墓掃除②

エアロビクススタジオの鏡は、朝の光を反射してまぶしかった。まだ誰もいない広いフロアに、私の足音だけが響く。私は当時、二十代に入ったばかりだったが、身体はまだ軽く、音楽に合わせて動くと、心までスッと整っていくようだった。
性格・自己肯定感

墓掃除①

岐阜の朝は、空気が澄んでいる。山の向こうから太陽が顔を出すと、墓地の石塔が一斉に金色に光り始める。私はルミ、四十三歳。エアロビクスインストラクターを二十年続けたあと、なぜか今は墓掃除で起業した。
性格・自己肯定感

静かな違和感

山田真吾、38歳。由利本荘市(ゆりほんじょう)の中堅メーカーに勤める総務課の会社員だ。その朝、総務課の給湯室で後輩の佐伯がコーヒーをこぼして固まっていた。